オゾンとは?

オゾンとは、太陽からの有害な紫外線を吸収して地上に住む我々を守ってくれている「オゾン層」のことです。
オゾンは大気中に自然に存在する気体分子であり、酸素( O2 )の同位体で、酸素にもう一つの酸素原子 O ) がくっついた化学式 O3で表されます。
オゾンの化学的な性質の一つとして、「結合のエネルギーが弱い」 という性質があります。
結合のエネルギーが弱ければどうなるのかというと、すぐにオゾン( O3 )から酸素分子 O2 )と酸素原子 O )に分解してしまいます。
この分解で生まれる酸素原子は反応性が高く、他の物質に対して強い酸化作用 があります。
この酸化力を利用すれば、細菌やウイルス、カビ、臭いの原因物質を根本から分解・除去 することができます。
これがオゾンの除菌・脱臭力の源です。

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オゾンによる脱臭・除菌メカニズム

オゾンによる除菌や脱臭の仕組みは、酸化の性質を利用しています。
オゾンによる除菌や脱臭の仕組みは、酸化の性質を利用しています。
オゾン( O3 )は不安定な状態であるため酸素 O2 )と酸素原子 O )に分解します。
放出された酸素原子O )は他の物質と結合することで安定するため、ニオイの原因となる物質が酸化されてほかの物質に変化することによりニオイがなくなります。
細菌やウイルス、カビの胞子にしても、酸化作用により細胞が破壊されることで死滅します。
オゾン( O3 )は自然環境だとごく僅かな量のみ存在しています。一方で、酸素 O2 )は自然大気中の約 20%を占めております。
ここから分かる通り、酸素原子は酸素 O2 )の状態である方が、オゾン ( O3 )の状態よりも安定しています。
オゾンの半減期は16 時間であり、発生したオゾンは 16 時間毎に半分ずつ分解されていきます。
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オゾン活用例① - ニオイの脱臭 

オゾンで脱臭しやすいニオイ

 


オゾンで消しやすい臭いは、生物(有機質) が関係して発生する臭いです。
具体的には・・・
(室内の臭い) 
人の体臭/加齢臭/口臭/動物(ペット)の臭い/タバコ臭/備品にしみ込んだ臭い/冷蔵庫や靴箱の臭い/床や壁の臭い等
(食品の臭いや調理の際に出る臭い)
 魚/玉ねぎ/ニンニク/チーズ/漬物/焼け焦げの臭い/油臭等
(生活臭)
生ごみ臭/腐乱臭/排水、下水溝/洗濯物のカビ臭/靴の臭い等
(産業関係の臭い)
 下水処理場/食肉センター/病院/火葬場/肥料/畜舎の臭い等

オゾンで脱臭しにくいニオイ

オゾンが苦手とする臭いは、オゾンから出た酸素原子が反応しにくい、有機物由来ではない化学物質由来の臭い です。
具体的には・・・
インク/塗料/ガソリン/グリス/ホルマリン/シンナー などの化学薬品の臭い
VOC /アスファルト/メッキ加工/殺虫剤/香水/接着剤/お菓子に含まれる香料等
ニオイを除去しづらい場合には、オゾン脱臭を何回か繰り返すことで臭いを軽減することができます。

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オゾン活用例② - オゾン除菌・不活化による感染予防対策



オゾンは、発生したオゾンの全量が、別な物質と結びついて分解されていきます。
臭いのもととなる物質を分解したり、ウイルスを分解したりと、有害物質をどんどん分解してくれるのですが、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス などにも効果があります。また同時に脱臭効果もあるため、臭いを取り除くために利用できます。
オゾン自体は、不安定な物質であるため、他の物質と結びついて安定しようとする性質があります。
放置しておくと分解して酸素となりますので、塩素等と異なり残留による危険を心配する必要はありません

人が行きかう施設空間や車内の除菌方法として、オゾン発生器の利用方法は2 通りあります。

1つめは、 「室内で常時オゾンを発生させ、空間除菌対策をする」 という方法です。
人がいる場所は常に何らかの感染リスクがありますが、その中でも「多くの人が長時間滞在する場所」「人の出入りが多い場所」「人と人がかなり近く触れ合う場所」 など、施設内でも特にリスクが高い場所を特定して導入を進めていくのがよいでしょう。
もちろん、屋内の全ての部屋に設置するのが最も安全な方法です。この際は、人がいる環境(有人環境)で利用できるオゾン発生器を選択ください。

2つめは、 「特にウイルス感染を注意しなければならないエリアを、人がいないタイミングで短時間強力除菌する」 という方法です。
この方法ですと、常時除菌をし続けることはできませんが、例えば「食堂が利用されていない時間に、食堂を無人にして、オゾン発生器を稼働させ、短時間で集中除菌する」 といった方法が可能となります。
この際は、人がいない環境(無人環境)で利用する高出力オゾン発生器を選択ください。

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オゾン活用例③ - 食品安全における衛生管理対策



飲食店や食品加工場など、食品を扱う現場では、食の安全性や衛星面を常にクリーンに保たなければならない環境ですが、オゾンは食品を扱う現場のあらゆるシーンで活用されております。

高濃度オゾンガスで厨房・加工場内の浮遊菌や落下菌を除菌、カビを抑制



水作業が多い厨房、食品加工場の現場では高湿度になりやすく、カビが繁殖しやすい環境です。そこで、閉店後~朝方など無人になる時間帯を利用し、高濃度のオゾン発生器を厨房内、加工場内にオゾンで充満させ、カビを生えさせない環境を作ったり、人の除菌作業ではカバーできないエリアまでオゾンを隅々まで行き届かせることで、浮遊菌・落下菌の除菌率を上げる工夫をしてます。また同時に脱臭作業にもなり、常にクリーンな衛生環境を保ちます。

オゾン水で手洗い・うがい、食材、器具類、床・壁などを除菌洗浄

 

科学薬品と違い、残留しなく無公害 なオゾンは、安心して食材や食材に触れる器具を洗浄できます。しかも 二次洗浄も要らないので、水道代の節約と作業効率化に繋がります。オゾンはアルコールには効かない ノロウイルスにも有効 なので、手洗い・うがいにも効果的です。しかも、残留しないオゾンは手荒れの心配も不要 です。床や排水溝などにオゾン水を流したりオゾン水に付けたブラシ洗浄で、カビ類などの除菌と同時に脱臭作業を行えます。
 

オゾンで野菜・果物の鮮度保持効果アップ



野菜や果物は、普通の空気よりもオゾンを含んだ空気のほうが新鮮さを保ってくれます 。これは、野菜や果物が成熟すると発生するエチレンをオゾンが分解 することで長持ちさせることができるため、よく使われているのです。因みにエチレンガス濃度が高くなると、野菜や果物は傷むのが早くなります。コンビニに並ぶおにぎりやサラダ、サンドイッチなどの各種食品も、オゾンで除菌されてます。
時間が経つと腐ってしまうこれらのものも、オゾンで鮮度を維持することが可能となるからです。

オゾンガスでグリーストラップの環境を改善(脱臭・油分解・清掃簡易化)



グリーストラップは毎日掃除が必要な場所ではありません。かといって、何年も掃除せずに放っておける場所でもありません。酸化した油脂と、野菜くずのそれぞれが強烈な臭いを出すようになってから、重い腰を上げてようやっとグリーストラップ清掃に取り掛かる、そんなケースが多いようです。しかし、グリーストラップ清掃を放置するリスクは多くあります。

1.臭いでお客様を不快にさせる
2.害虫の発生
3.自己清掃できなくなり業者任せになる


オゾンガスをグリーストラップの油に反応させることで、悪臭軽減・害虫忌避効果・油分解(清掃が楽に) なります。

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美味しい水は、オゾンのおかげ




最近はペットボトルの水の需要やオフィスなどにウォーターサーバーを設置する人が増えてきました。安全でおいしい水を求めるのが当たり前の時代です。
ところで、このミネラルウォーターですが、実はほとんどがオゾン処理されているのをご存じでしょうか。
いくら美味しいミネラルウォーターであっても、自然界の水をそのまま飲むと有害物質が含まれていることがあるので、「絶対に有害物質が混入しない」採水方法のミネラルウォーターを除き、基本オゾンで除菌処理されています。
安全でおいしい水を求めるのは、水道水でも同じです。

水道水でさえ、健康に害がなければいいものから、味わうためのものに変化しつつあります。水道水を売りにしている自治体もあるほどです。
よって、「水道水は臭いがしても、やや赤茶けていても、安全であればよい。」という時代はとうに終わっています。
現在では、東京都、大阪府、大阪市といった自治体の浄水処理でオゾンが利用されています。
「飲める水」の一歩先、つまり「臭わない美味しい水」を実現するための高度浄水処理には、オゾンが必要不可欠だからです。

当初は、大きな自治体でしか実施されていない処理でしたが、現在では千葉県の北部の自治体連合(柏市、野田市、松戸市など)や埼玉県川口市などでも行われるようになり、中規模以下の自治体での採用が相次いでいます。
特に、東京の水道水の美味しさは有名です。
ミネラルウォーターと比べて引けを取らないことから、東京都東村山市の東村山浄水場で高度浄水処理された水を「東京水」という名前でペットボトルに詰めて販売しているほどです。別の言い方をすると、東京都民はミネラルウォーターと同じくらいの品質の水を、水道水として毎日飲むことができるようになっているのです。
これもオゾンのおかげです。

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カビ臭さやトリハロメタンへの対処から、日本でも徐々にオゾン処理法へのシフトが進んでいます。
カビ臭さやトリハロメタンへの対処から、日本でも徐々にオゾン処理法へのシフトが進んでいます。

オゾンの毒性に注意



オゾンは、濃度が高いと人体に影響を及ぼします。
「オゾンの基礎と応用」(杉光英俊著)から、どのような影響があるのが引用してみましょう。
 
濃度[ppm] 作用
0.01 ~ 0.02 多少の臭気を覚える(やがて馴れる)
0.1 明らかに臭気があり、鼻や喉に刺激を感じる
0.2 ~ 0.5 3~6時間曝露で視覚が低下する
0.5 明らかに上部気道に刺激を感じる
1~ 2時間曝露で頭痛・胸部痛・上部気道の渇きと咳が起こり、
曝露を繰り返せば慢性中毒にかかる
5 ~ 10 脈拍増加・体痛・麻痺が現れ、曝露が続けば肺水腫を招く
15 ~ 20 小動物は2時間以内に死亡する
50 人間は1時間で生命危険となる
  “杉光秀俊『 オゾンの基礎と応用 』 より
ppmとは、 par per million の略で、 100 万分の 1 を意味しています。
気体中の体積比を見てみると、空気中に1ppm は、 0.0001 %という計算になります。
日々生活している私達の環境では、空気中のオゾン量は通常、0.005ppm 程度となります。
この表にあるように、0.01 ~ 0.02ppm までオゾン濃度があがると、少しオゾンのニオイがします。実際に害が発生するのは、0.2 ~ 0.5ppm くらいのオゾン量からです。

低濃度でも人間の嗅覚はオゾンを察知することができます。
高濃度のオゾン環境は、オゾンのニオイがとても強いものとなります。
とはいえ、日常暮らしている中で、強いオゾンのニオイを感じることはまずありません。
もしニオイを感じるとしたら、オゾン発生器が使われている環境に足を踏み入れた時くらいでしょう。

強いオゾンのニオイがする時は、その場を離れたり、換気すれば大丈夫です。
日本で定められている各種作業環境での許容オゾン濃度は0.1ppm です。
この濃度は、8 時間労働環境におけるオゾンの濃度に関して、 0.1ppm までであれば安全という基準が決められています。
オゾン濃度は環境によって変わります。

高出力の業務用オゾン発生器でも、広い空間や反応する有機物の量が多ければオゾン濃度は上がりませんし、低出力の家庭用オゾン発生器でも、狭い空間で反応する有機物の量が少なければオゾン濃度は上がります。
使用する場所の広さ、反応物の量によってオゾン濃度は異なるのです。

オゾンは強力な酸化力があり、0.1ppm を超えた辺りから人体にも有害性が出てきますが、使い方次第で、毒にも薬にもなるのです。とはいえ、オゾン発生器の説明書に従って正しく利用すれば、人体に害を及ぼすことはまずありませんのでご安心ください。
このように、オゾンはオゾン層として紫外線から私たちを守る以外に、脱臭や除菌などの多くの役割を果たしています。
私たちの生活において目に見えない部分の安全を、オゾンが守ってくれているのです。

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